■特徴・分布・生育環境
花の形態からは余り想像できませんが、ケシ科の草本です。全草が有毒です。
半日陰になる林縁や疎林内に生育します。
「ヤマブキ」の名はありますが、バラ科のヤマブキとは全く別種です。
草丈30〜40cmほどの多年草です。茎を立てて上部の葉腋に1〜2個の花をつけます。
花は春に咲き、径4〜5cmほどの比較的大きな鮮黄色の4弁花をつけます。花弁は卵型です。
葉は、長さ10〜15cmほどの羽状複葉で、小葉は5〜7個です。
小葉は大きさに変異が大きく、長さ2〜5cm、幅2cm前後の広卵型で、葉先は三角形状です。葉の縁には浅い欠刻と鋸歯(ギザギザ)があります。
本州以西から中国大陸に分布します。
多摩丘陵では、一部に保護植栽されている場所を除き、1980年頃以降では自生は確認できておらず、地域絶滅が危惧されます。
■名前の由来
花の様子や鮮黄色の花色が、バラ科のヤマブキに似ているという命名です。
ただし、ヤマブキは5弁花であるのに対してヤマブキソウは4弁花です。
■文化的背景・利用
知られた詩歌や文芸などにはその名は現れていないようです。
江戸時代の「本草綱目啓蒙」などにその名が現れています。
■食・毒・薬
ケシ科の植物はほとんどそうですが、全草にアルカロイド系の有毒成分を含みます。誤って食べると嘔吐や麻痺などを惹き起します。
仲間(同属)のクサノオウは薬用に利用されますが、ヤマブキソウは利用されないようです。
■似たものとの区別・見分け方
この仲間(クサノオウ属)を代表するクサノオウ(瘡の王)では、花は似ていますが、葉はヤマブキソウのような羽状複葉ではなく、羽状の切れ込みがある単葉で裂片の先は円形状です。
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写真は「花」と「花と葉」の2枚を掲載 |
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ヤマブキソウの花 |
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ヤマブキソウの花と葉 |
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