■特徴・分布・生育環境
落葉の小高木で3〜5mになります。
北米原産の外来種です。
樹皮は、灰黒色で細かくひび割れます。
春に、径7cm前後の白色〜赤色の4弁の花を、葉に先駆けてつけます。
花弁に見えるのは苞葉です。
花の中心に10個程度の径5mmほどの緑色の小さな花を塊のようにしてつけます。
果実は長さ1cmほどの太い紡錘型で、花同様にくっつきあうようにして塊になってつきます。
秋に赤く熟します。
葉は、長さ10〜15cmほどの卵状楕円形で葉先は鋭三角形状です。
ミズキ科の特徴でもありますが、葉脈が葉縁に沿うように湾曲しています。
秋早くに、赤熟する果実とともに、美しく紅葉します。
多摩丘陵では、人家周辺や公園などによく植栽されています。また、近年、庭木や街路樹などによく植栽されています。
■名前の由来
ミズキの仲間で、花が大きくて美しいので「ハナミズキ」です。
なお、「ミズキ」の名は、春にミズキの木の枝を切ると切り口から水がしたたることによると言われています。
■文化的背景・利用
1912年に当時の東京市から米国のワシントンD.C.へ桜(ソメイヨシノなど)を贈った返礼として、1915年に日本に贈られたものが最初です。
なお、その桜は、ポトマック川の河畔に植えられ、桜の名所になっています。
■食・毒・薬
葉や果実に有毒成分を含み、果実の汁などに触れたりすると皮膚炎を起こすなどの報告があります。もちろん、果実は食用にはなりません
樹皮を煎じて犬の皮膚病に用いるという話がありますが、英語名の「Dog Wood」から生じたもので噂の域を出ないようです。
また、毒性の強いキニーネを含むという報告がありますが、未確認のようです。
■似たものとの区別・見分け方
仲間(ミズキ属)には似たものはありません。
ただ、日本に自生する近縁のヤマボウシの花が似ています。
ハナミズキでは花被片の先が糸でくくったようになっているのに対して、ヤマボウシでは花被片の先は尖っています。
また、ヤマボウシの花は春ではなく初夏に咲き、葉が茂った後に花開きます。
|
|
写真は「花(白)」、「花(赤)」、「葉」 と「幹」の4枚を掲載 |
|
ハナミズキの花(白) |
|
ハナミズキの花(赤) |
|
ハナミズキの葉 |
|
ハナミズキの幹 |
|