■特徴・分布・生育環境
明治時代に渡来した地中海沿岸地方原産の外来種です。
ツル性で地面を覆うように生育し、常緑で冬でも光沢のある葉を保ち、耐寒性もあるので、グラウンドカバーに適しよく植栽されています。全草に強い毒性があります。
地を這うように多くのツルを長く伸ばすツル性で常緑の多年草です。地を這うので草丈は10cmほどですが、時に立ち上がり高さ40cmほどになります。
早春から夏にかけて長い間花をつけています。花径は4〜5cmで、花冠はスクリュー型に5裂しています。花色は青紫色です。
葉は、葉先が三角形状の長さ5〜8cmほどの卵型で、葉の表面に光沢があります。
この科を代表するキョウチクトウと同様に、強い毒性があります。
園芸品種も作出されていて、葉に黄班の入ったものもよく植栽されています。
多摩丘陵では、人家周辺や公園などにしばしば植栽されていて、繁殖力が強いので時に半野生化しています。
■名前の由来
西インド諸島原産の外来種で同じキョウチクトウ科の「ニチニチソウ」にやや似ていて、ツル性なのでツルニチニチソウです。ニチニチソウ(日々草)の名は、1日ごとに新しく花をつけるという意味の命名です。ただし仲間ではなく、それぞれ別属です。
■文化的背景・利用
渡来して歴史が浅いので、知られた詩歌などや本草書にはその名は現れていません。
■食・毒・薬
キョウチクトウ科ではよくありますが、全草に強い毒性があります。もちろん、食用にはできません。誤って食べると嘔吐などを惹き起します。
キョウチクトウでは死に至る危険もある猛毒性ですが、ツルニチニチソウでは大量に食べなければそれほどの毒性はないようでが、注意すべきです。
民間で、血圧を下げる目的で使用されることもあるようですが、毒性が強いので一般での使用は厳禁です。
■似たものとの区別・見分け方
多摩丘陵には似たものはありません。
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写真は「花」と「花と葉」の2枚を掲載 |
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ツルニチニチソウの花 |
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ツルニチニチソウの花と葉 |
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