多摩の緑爺の植物文化誌
9月:6.占いの植物2 −「メドハギ」

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メドハギ
「はぎ」の名はありますが、「秋の七草」のひとつ「萩」には含まれていません。ただし、「萩」と同じ仲間(ハギ属)です。
高さ1m近くになり、茎は木化します。

「メド」は、奈良から平安時代に、やや木化する茎を陰陽占い用の「筴(めどき)」として使われたことから「筴(めどき)芽子(はぎ)」となり、そこから転訛したものであるというのが通説です。

古い時代(奈良から平安時代)には、やや木化する茎を、50本を一組として「筴(めどき)」として陰陽占いに使用しました。
後世には竹を利用し、竹で作る占いの道具が筮竹(ぜいちく)です。

古今和歌集にその名が現れているようです。

今日では、マメ科には普通ですが、根の根粒に根粒菌があり、空中窒素の固定能力があるので痩せ地や法(のり)面の緑化に使用されます。

なお、「萩」は秋の七草です。
万葉集の山上憶良の歌
「秋の野に、咲きたる花を、指(おゆび)折り、かき数ふれば、七種の花」
「萩が花、尾花(すすき)、葛花(くず)、なでしこの花、おみなえし、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお:ききょう)の花」
がその起源となっています。
ただし、当時は「萩」は、ヤマハギやマルバハギを指していたようで、メドハギは含まれていなかったと思われます。

また、「萩」は、古い時代から多くの詩歌や文芸に数多く現れていて、古くから日本人に親しまれていたようです。


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