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「秋の七草」は、万葉集の山上憶良の歌、
「秋の野に 咲きたる花を 指(おゆび)折り かき数ふれば 七種の花」
「萩が花 尾花(すすき) 葛花(くず) なでしこの花 おみなえし また藤袴(ふじばかま) 朝貌(あさがお:ききょう)の花」
がその起源となっています。
なお、「朝貌(あさがお)」は諸説ありますが、現在では「キキョウ」とするのが定説になっています。
秋は、現在の暦では8月初の「立秋」からとされています。その頃から花をつける植物が選ばれています。
「春の七草」は「七草粥(かゆ)」などとして食用にする植物の代表として選ばれています。しかし、「秋の七草」が選ばれた理由は、諸説はありますが、はっきりとしてはいません。
花を観賞するというのであれば、「すすき(尾花)」は必ずしも美しいとは言えませんし、野菊の仲間、アザミの仲間、フウロソウの仲間やリンドウなど花が美しいものが選ばれていないのも不思議です。
秋の野山にも、春の野山と同様に、多くの花が咲きますが、その様子を「花野」と呼び、当時は「花野」を散策して和歌などを詠むことが好まれていたようです。
しかし、万葉集では、ハギは124首、クズは27首、ナデシコは24首、オミナエシは14首やススキ(尾花)は10首余りと多く詠まれていますが、朝顔(ききょう)は4首で、フジバカマは上述の山上憶良の和歌に現れているだけです。
どうも、和歌の対象となる花が選ばれているわけでもないようです。
一説には、薬用や用具材料など、人の生活に役立つ植物が選ばれているというものがあります。ただ、あくまでも仮説の域を出ないようです。
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