ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)         
多摩の緑爺の「多摩丘陵の植物と里山の研究室」

ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬) キク科ムカシヨモギ属
学名:Erigeron canadensis

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■特徴・分布・生育環境
草丈がひとの背丈ほどにもなる大きな越年生草本で19世紀半ば過ぎに北米から渡来した外来種です。

夏から秋にかけて、ほぼ直立する茎の中程でよく枝分かれして円錐塔状に花序を出し、目立たない径5mmほどの小さな頭花をつけます。
ちょっと見ではわかりませんが、よく見ると長さ3mmほどの小さな花弁(舌状花)が花の周囲を囲んでいます。

茎のまわりには長さ7〜10cmほどの細長い葉をびっしりとつけます。全体に毛が多くあります。
  
市街地の小さな草地や路傍にもよく生育し、とてもよく似たアレチノギクオオアレチノギクとともに、よく目につきます。
ただ、19世紀末に南アメリカから渡来したアレチノギクは一回り小さく高さ50cmほどです。1920年代にやはり南アメリカから渡来したオオアレチノギクに比較すると、アレチノギクは個体数が少ないようです。

■名前の由来
日本では昔から「蓬」の漢字をヨモギにあててきていますが、後に「蓬」は別の植物であることが明らかになり、「昔は蓬をヨモギ」としていたことから「ムカシヨモギ」となったという説があります。花が小さいのでさらに「姫」がつけられたもののようです。

■文化的背景・利用
花の様子が目立たず、草姿も粗野な印象であることもあってか知られた詩歌や文芸の対象にはなっていません。

■食・毒・薬
毒性があるという報告はないようですが、食用にもするという報告もありません。

■似たものとの区別・見分け方
ヒメムカシヨモギの頭花にはとても小さな花弁(舌状花)がありますが、アレチノギクの樽型の頭花やオオアレチノギクの首の細いトックリ型の頭花には花弁(舌状花)はないことで区別できます。    
  
写真は「花」と「全体」の2枚を掲載
ヒメムカシヨモギ
ヒメムカシヨモギの花
ヒメムカシヨモギ
ヒメムカシヨモギの全体