■特徴・分布・生育環境
1930年代に北米から渡来したとされる外来種です。
近年では、仲間(同属)のアゼナと混在するようになっています。
草丈は低く、5cm〜10cm、時に20cmほど、花も葉も小さい1年生の草本です。
湿性のある田などに生育します。
夏から初秋にかけて、茎上部の葉腋に、比較的長い花柄を伸ばして長さ5mm〜1cmほどの小さな唇形花をつけます。
花色は淡紅紫色です。
葉は、長さ2cm前後、幅8mmほどの楕円形です。
葉に柄はなく、葉先は鈍い三角形状で、葉縁には少数の鋸歯(葉の縁のギザギザ)があります。
日本各地から北半球の暖帯から温帯に広く分布します。
多摩丘陵では、湿性のある田などで時々見かけます。
■名前の由来
湿性のある田の「あぜ(畔)」などに生育するという意味で、「菜」は通常「食べられる」という意味で使われます。
しかし、本種を食用にすることはないようです。
■文化的背景・利用
万葉集や多くの和歌集には詠われていません。文学的にも記載はないようです。
多くの本草書などにもその名は現れていないようです。
■食・毒・薬
有毒であるという報告も薬用にするという報告もありませんが、確認できていませんので注意が必要です。
食用にするという報告もありません。
■似たものとの区別・見分け方
仲間(同属)のアゼナに似ています。
アゼナと同じように湿性のある場所に生育しますが、アメリカアゼナとは異なりアゼナでは葉の縁は全縁(葉の縁のギザギザはない)です。
よく似た仲間(同属)のウリクサに花の形や花色が似ていますが、湿性地に生育するアメリカアゼナやアゼナとは異なりウリクサは草地や畑などに自生し、ウリクサでは葉には短い柄があります。
同様に、似た仲間(同属)のアゼトウガラシでは、葉が披針形なので、明らかに葉が細長く見え、葉先は鈍三角形状です。
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写真は「花」と「花と葉」の2枚を掲載 |
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アメリカアゼナの花 |
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アメリカアゼナの葉と花 |
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