シロツメクサ(白詰草)         
多摩の緑爺の「多摩丘陵の植物と里山の研究室」

シロツメクサ(白詰草) マメ科シャジクソウ属
別名:クローバー 学名:Trifolium repens

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■特徴・分布・生育環境
江戸時代末期から明治時代初期ごろにに欧州から渡来した外来種です。

日当たりのよい路傍の草地や草原に生育する多年草です。茎は地を這い茎は立てません。しばしば群生します。

春から秋にかけて、花茎を立て、多くの白色の小さな花を径2cmほどの放射球形につけます。
葉は、3出複葉で、小葉は長さ2cm前後の広倒卵型(葉先のほうが幅が広い)です。

多摩丘陵では、路傍の草地や畑地や緑地などにごく普通に見かけます。

■名前の由来
「ツメクサ」は「詰草」で、江戸時代にオランダから船でガラス器を箱詰めにして輸入したときに、このシロツメクサを乾燥させて隙間につめてガラス器が壊れないようにしたことから「詰め草」となったというのが通説です。花色が白色なので「シロ」です。
なお、別名の「クローバー」は英語名で、こちらの方が一般的になっています。

■文化的背景・利用
渡来して歴史が浅いこともあって、知られた詩歌や文芸などには現れていないようです。

レンゲと同様に、根粒バクテリアにより空気中の窒素を地中に固定するので、耕作前の畑などに栽培されて緑肥にされ、また牧草や干し草として利用されます。
欧州では、三枚の葉を希望・信仰・愛情の象徴とし、4枚めの葉は幸福の象徴とします。これが日本に伝わって「四葉のクローバー」は幸せをもたらすものとして広く知られていて、押し葉などとして工芸品や土産物にもされています。

幼い女の子たちが、花を摘んで花茎を編み、首飾りや腕輪などにして遊びます。

■食・毒・薬
民間で、蕾や花を天日乾燥させ煎じたものが、便秘、咳や痰などに効能があるとされます。
若葉や花を天ぷらに、また茹でて水に晒して和え物などにして食用にします。

■似たものとの区別・見分け方
よく似た仲間(同属)のムラサキツメクサでは花色は紅紫色で、茎が立ち上がるので容易に区別できます。    
  
写真は「花」と「花と葉」の2枚を掲載
シロツメクサ
シロツメクサの花
シロツメクサ
シロツメクサの花と葉