■特徴・分布・生育環境
欧州原産で、江戸時代末期から明治時代初期に食用として導入されましたが、現在では各地で野生化しています。
草丈20〜30cm、時に50cmほどになる多年草です。小川など、浅い水中や水辺に生育し、しばしば群生します。
春から夏に、茎を分けて茎頂に径5mmほどの小さな花を傘状(総状花序)に多くつけます。花は四弁花(十字花)で白色です。
葉は、長さ10cm前後の羽状複葉で、小葉は長楕円形で長さ2〜3cm、幅1.5cm前後です。
果実は長さ2cmほどの細長い棒状(長角果)なのが特徴です。
多摩丘陵では、小川などにしばしば見かけます。
■名前の由来
果実から香辛料の「芥子(からし)」をとる「カラシナ(芥子菜/学名:Brassica juncea)」のように若葉や茎に特有の辛味があって、欧州原産の外来種なのでオランダガラシとなったようです。
別名の「クレソン」はフランス語名です。
■文化的背景・利用
渡来して歴史が浅いこともあって、多くの詩歌や文芸などにはその名は現れていないようです。
本草書などにはその名は現れていないようです。
■食・毒・薬
しばしばステーキ料理の付け合わせに葉・茎が添えられます。また、サラダなどにされます。
民間で、健胃薬として用いるとのことですが、未確認です。
■似たものとの区別・見分け方
名前が似たイヌガラシは、同じアブラナ科ですが別属です。イヌガラシでは、葉は羽状複葉ではなく単葉で花が黄色なの容易に区別できます。
|
|
写真は「花と葉」と「花と果実」の2枚を掲載 |
|
オランダガラシの花と葉 |
|
オランダガラシの花と果実 |
|