ナガミノヒナゲシ(長実の雛芥子)         
多摩の緑爺の「多摩丘陵の植物と里山の研究室」

ナガミノヒナゲシ(長実の雛芥子) ケシ科ケシ属
学名:Papaver dubium

| 総索引へ戻る |
写真一覧表の| 早春へ | 春へ | 夏へ | 初秋へ | 秋へ | 冬へ |
| トップページへ戻る |
■特徴・分布・生育環境
地中海沿岸から欧州中部原産の1年草です。繁殖力が強いようで、観賞用に持ち込まれたものが1960年代ごろから半野生化しています。

モルヒネを含み麻薬のアヘン(阿片)を採取するケシやアツミゲシなどの仲間です。これらは法律によって栽培や所持が禁止されています。ただ、このナガミノヒナゲシやヒナゲシ(通称:ポピー)には含まれていないのでよく植栽されています。栽培や所持が禁止されているケシの仲間は通常は葉が茎を抱いていることで区別できます。

草丈60cmほどになる1年草です。
春から夏に、茎頂に花径6cmほどの朱赤色のやや杯状の花をつけます。
葉は、羽状に細かく深裂して、網目のようになります。
果実は、やや長い筒型です。 br>   
多摩丘陵では、ところどころで半野生化しています。

■名前の由来
「ナガミ(長実)」は、仲間(同属)のヒナゲシ(通称:ポピー)に似ていて、ヒナゲシの果実では半球形であるのに対して、筒状なのでこの名があります。
ヒナゲシには、中国の歴史上、絶世の美女である虞美人にたとえて「虞美人草(グビジンソウ)」の別名があります。

■文化的背景・利用
渡来して歴史が浅いこともって、知られた詩歌や文芸などにはその名は現れていないようです。

■食・毒・薬
ケシ科の植物はほとんどの場合全草に有毒成分を含みます。ナガミノヒナゲシの毒性については不明ですが、注意すべきです。
上述の通り、このナガミノヒナゲシには、アヘン(やその成分のモルヒネからの精製品ヘロイン)などの麻薬成分は含まれていません。

■似たものとの区別・見分け方
ヒナゲシは江戸時代に渡来したとされ、花色に変異が多く、園芸品種も作出されています。
  
写真は「花」、「果実」と「葉」の3枚を掲載
ナガミノヒナゲシ
ナガミノヒナゲシの花
ナガミノヒナゲシ
ナガミノヒナゲシの果実
ナガミノヒナゲシ
ナガミノヒナゲシの葉