■特徴・分布・生育環境
クララの名には、どこか異国情緒がありますが、れっきとした和名で日本自生種です。
日本最古の本草書とされる平安時代の「本草和名」に、和名「久良々」(くらら)として、既にその名が現れているとされています。
日当たりの良い草地に自生する大型の多年草です。高さ1m〜1.5m程になります。根は有毒です。
葉は、長さ20〜25cmほどにもなる大型の奇数羽状複葉(葉軸の左右に小葉を行儀よく並べて先端に一枚の小葉)で、小葉は長さ3〜4cm、幅1〜1.5cmほどの狭楕円形です。
小葉は多くつき、20対〜40対ほどもついているのが特徴のひとつです。
夏(多摩丘陵では6月)に、長さ20cm前後の大きな花穂を出し、花茎に20個ほどの花をやや密に並べます。
花は、長さ2cm前後の淡黄色の蝶型花です。花の基部が太くで全体にコロっとした印象があります。
果実は、とても細いソラマメのような形で、長さ7cm前後で、下垂します。初秋に褐色に熟して、豆果を5個ほど出します。
本州以西から朝鮮半島・中国大陸に広く分布します。
多摩丘陵では、自生に適した日当たりのよい草地が激減していることもあって、2010年現在では見かけることは稀です。
東京都の中島氏からのご連絡で、まだ自生があることを知りました。
■名前の由来
根に苦みがあり、噛むと「目が眩(くら)む」ほど苦いことから「くらら」となったというのが一般的です。
■文化的背景・利用
上述の通り、日本最古の本草書とされる平安時代の「本草和名」に、和名「久良々」(くらら)として既に現れているとされます。
同じく平安時代の「倭名類聚抄」にも和名「久良々」として現れているとされます。
江戸時代の「本草綱目啓蒙」に、「苦參」として「クラゝ」が現れています。
西行法師による「山家集」の一首に、
「荒れにける 澤田のあぜに くらら生(お)ひて 秋待つべくも なきわたり哉」
があります。
■食・毒・薬
採取した根の皮を剥いて乾燥させたものを「苦参(くじん)」と呼び、害虫の駆除などに利用したようです。
このような作用があるので、食用にはできません。
■似たものとの区別・見分け方
多摩丘陵には、似たものはありません。
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写真は「花」、「花と葉」、「全体」、 「葉」、「果実」の5枚を掲載 |
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クララの花 |
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クララの花と葉 |
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クララの全体 |
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クララの葉 |
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クララの果実 |
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