■特徴・分布・生育環境
落葉低木で高さは1m〜2mほどです。
主幹は作らず根元から叢生し、また、よく枝分かれします。
茎の太い部分は中空(中心に穴が空いている)か、あるいは髄が詰まっています。
花も葉も小さいのが特徴です。
花は、初夏に咲き、径5mmほどと小さく、花弁は白くて5枚ですが、ガク片5枚も白くなるので、10弁花に見えます。
葉は互生(互い違いにつく)し、長さ2〜4cmほどの長三角形状ですが、変異が多く、浅裂から中裂し、モミジの葉を長く伸ばしたような形になります。
葉縁に粗い鋸歯(ギザギザ)があります。葉は、晩秋に結構きれいに黄葉します。
果実も小さく、径3mmほどの球形で、長めの果柄にぶら下がります。
日本各地から北東アジアに分布します。
多摩丘陵では林縁などに比較的よく見かけます。
■名前の由来
花がウツギの花に似ていて小型なので「小米」であるというのが一般的です。
ウツギと名が付く植物は6科11属にわたって使われていて、通常は茎が中空であることを意味(空木)していますが、多くの場合髄が詰まっています。
■文化的背景・利用
「ウツギ」は万葉集に「卯の花」として24首にも詠まれていますが、コゴメウツギとしては現れていないようです。
知られた詩歌や文芸、あるいは本草書にも、その名は現れていないようです。
■食・毒・薬
有毒であるという報告も、薬用にするという報告もないようです。このような場合、食べるのは避けるべきでしょう。
■似たものとの区別・見分け方
葉や樹形が、どことなくキイチゴの仲間モミジイチゴに似ていますが、モミジイチゴには茎に鋭いトゲがあるので容易に区別できます。
仲間(同属)のカナウツギでは、葉が長さ5〜10cmほどと2倍以上も大きいことで容易に区別できます。多摩丘陵では、カナウツギの自生は未確認です。
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写真は「花と葉」(1)、「花と葉」(2)と 「果実」の3枚を掲載 |
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コゴメウツギの花と葉(1) |
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コゴメウツギの花と葉(2) |
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コゴメウツギの果実 |
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