■特徴・分布・生育環境
江戸時代末期に渡来した外来種です。
一時は、救荒植物や飼料植物として各地によく植栽されていました。
草丈2m前後にもなる大型の多年草です。
秋にヒマワリの花を小さくしたような黄色の頭花をつけます。花は径3cmほどになります。
葉も大きく、長さ20〜30cmほどの楕円形で葉先は鋭三角形状になります。
晩秋に塊茎が肥厚してサツマイモのようなイモができ、食用にされます。
ただ、特有の臭いがあって食料不足にでもならないと食用にはされません。その意味で飢饉などの際の救荒植物です。
以前は、塊茎が余り肥厚しないものをイヌキクイモとして区別していましたが、近年は同一種としています。
多摩丘陵では、30年ほど前まではよく植栽されていて、時に半野生化していましたが、2010年前後では余り見かけません。
■名前の由来
花がキクのようで、塊茎が肥厚して芋状になるのでキクイモです。
■文化的背景・利用
渡来して歴史が浅いこともあって、知られた詩歌や文芸などには現れていません。
戦時中は、救荒植物として扱われたようです。
■食・毒・薬
上述の通り、救荒植物として食用にされましたが、近年はほとんど栽培されていません。
最近では、ブドウ糖を含まず、また果糖が多数結合した多糖類イヌリンを多く含むので、糖尿病など生活習慣病予防向けに注目されているようです
■似たものとの区別・見分け方
多摩丘陵には、似たものはありません。
なお上述の通り、以前は、塊茎が余り肥厚しないものをイヌキクイモとして区別していましたが、近年では同一種とされています。
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写真は「花1」、「花2」と「葉」の3枚を掲載 |
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キクイモの花1 |
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キクイモの花2 |
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キクイモの葉 |
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