■特徴・分布・生育環境
江戸時代半ば頃に、当初は薬用植物として中国から渡来した外来種です。
高さ1〜2m、時に3mほどになる常緑の低木です。
早春から春早くに、茎頂に黄色の細長い花穂を放射状に数本出します。花穂は立ち上がらずに水平になり花穂の先は垂れ下がります。
花は径1cmほどの鮮やかな黄色で花穂に多くつけます。
葉は長くて30cm〜40cmになり、奇数羽状複葉(葉軸に沿って小葉を左右に並べ葉先に1枚付く)で、11枚〜17枚の小葉にはヒイラギのような鋭い鋸歯(葉の縁のギザギザ)が並びます。
果実は径5mmほどの偏球形で夏に紫青色から紫黒色に熟します。
現在では、あちこちで野生化していて、多摩丘陵でも疎林内に野生化した個体が時々見られます。
■名前の由来
葉にヒイラギのような鋭いトゲ状の鋸歯をつけ、花や果実をつける様子がナンテンに似ているという命名ですが、余り似ているとは言えません。
■文化的背景・利用
渡来して歴史が浅いこともあって、知られた詩歌や文芸などには現れていないようです。
■食・毒・薬
中国では、根、茎、葉や果実を解熱・解毒に効能があるとしていたとのことですが、現在ではそのような用例はないようで、民間薬の域を出ないという報告があります。
その一方で中国では「十大功労」とする生薬で、肺結核の微熱・咳を鎮める効果があるとする報告もあります。
日本では、薬用にするという報告はないようです。いずれにしても葉も果実も食用にはできないようです。ただし、特定の国では果実を食用にするとのことです。
また、樹皮から黄色の染料をとる国もあるようで、日本でも草木染に使用します。
■似たものとの区別・見分け方
多摩丘陵に似たものはありません。
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写真は「花と葉」、「全体」と「果実」の3枚を掲載 |
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ヒイラギナンテンの花と葉 |
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ヒイラギナンテンの全体 |
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ヒイラギナンテンの果実 |
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