チャノキ(茶の木)         
多摩の緑爺の「多摩丘陵の植物と里山の研究室」

チャノキ(茶の木) ツバキ科ツバキ属
学名:Camellia sinensis

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■特徴・分布・生育環境
常緑の低木で中国原産であると言われていますが、確かではないようです。
ご存じの通りお茶の原材料です。

葉は厚くて硬く、葉脈が凹んでいるのででこぼこした印象が特徴です。
葉脈の支脈が葉の縁までは届かずにU字の形になっているのも特徴です。
お茶の葉は知っていても、樹木の葉であることを知らないひとも多いようです。
  
世界各地で古い時代から飲み物に利用されています。
茶が日本に伝えられた時期ははっきりとしていませんが、最近では奈良時代には既に伝来していたと言われています。

秋にツバキに似た径3cmほどの白い花をつけます。

多摩丘陵では、植栽されたものが稀に見られ、半野生化しています。
通常は高さ1mくらいに剪定されていますが、何もしなければ高さ7mほどにはなるようです。

■名前の由来
「チャ」の名は、中国広東語系の言葉で「チャ」と呼ばれていたことによるようです。
福建語系の言葉では「テー」と呼ばれていて、こちらが「ティー」のもとになったと言われているようです。
漢字の「茶」は中国からもたらされたようです。

■文化的背景・利用
世界各地で古い時代から飲み物に利用されています。柔らかい新葉を利用します。
緑茶は蒸すだけで発酵させないもの、ウーロン茶は半発酵させたもの、紅茶は完全発酵させたものです。
日本では、当初は貴族や武士などの上流階級の嗜みであったようですが、室町時代以降に広まり、次第に日本独自の精神性を重んじた「茶の湯」として発展してきています。
茶の湯は、明治時代には「茶道」と呼ばれるようになって、礼儀作法の嗜みとしても一般化してきています。

■食・毒・薬
渡来当初は薬用にされたとのことですが、現在はお茶以外には利用されていません。

■似たものとの区別・見分け方
他の仲間(ツバキ属)とは、上述の通り葉の様子が違うことで区別できます。花はよく似ています。    
  
写真は「花と葉」の1枚を掲載
チャノキ
チャノキの花と葉