■特徴・分布・生育環境
常緑の低木で高さ1〜3m、時に8m近くで幹径5〜10cmにもなります。全体に有毒です。
早春〜春に小さなツボ型の花を房状に多くつけます。
葉は革質で葉先に密に互生(互い違いにつく)します。
しばしば「アシビ」とも呼ばれます。
日本特産種とされていますが、仲間(アセビ属)の植物は東アジアや北米東部に10種ほど自生があるようです。
多摩丘陵では、植栽されたと推定されるものしかないようです。
■名前の由来
「アセビ」の名は、食べると痺れるので「足痺れ」から転訛したという説や、果実が割れることから「はぜる実」から転訛したなど諸説あります。
漢字名の「馬酔木」は万葉集にも使われていて、この葉を食べた馬が酔ったようになるという意味からの「馬酔木」です。ですが、鹿も食べません。
■文化的背景・利用
万葉集には、
巻2「磯の上に 生ふる馬酔木(あしび)を 手折らめど 見すべき君が ありと言はなくに」
など10首余り詠まれていて、近世まで多くの詩歌や文学にも表れています。
短歌誌やライブハウスなどの名前にもよく使われています。
伊藤左千夫が創刊した短歌誌「馬酔木(あしび)」はよく知られています。
ただ、標準和名は「アセビ」ですが、文学やお店の名などでは「アシビ」がよく使われます。
庭木としても好まれ、花色は通常白ですが、淡紅色になる園芸品種も作出されています。
材は緻密なので細工物に使われます。
■食・毒・薬
全体に有毒で、麻痺性の毒性物質を多く含んでいますので、食べると四肢痙攣や呼吸麻痺などをひきおこし危険です。
古い時代には駆虫剤や殺虫剤などに使用されたようです。
■似たものとの区別・見分け方
花が似たものはありますが、全体の形態で似たものはありません。
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写真は「花と葉」、「葉と花芽」と 「園芸品種」の3枚を掲載 |
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アセビの花と葉 |
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アセビの葉と花芽 |
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アセビの園芸品種 |
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